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執筆者の写真成蹊大学新聞会

新たな活用法、 エディブルフラワー

近年、エディブルフラワーが注目を集めている。エディブルフラワーとは Edible(食べられる)とFlower(花)からなる言葉で、花食文化および食材として育てられた花を指す。


花を食べると聞くと、なじみがない文化のように感じるかもしれない。しかし「花食」は昔から行われていた。これはネイティブアメリカンがサボテンの花や花粉を食べていたことに始まる。食材として食べられていた花は次第に薬や嗜好品としても摂取されるようになり、花食文化に発展していった。日本における花食文化の始まりは平安時代にさかのぼる。紅梅の塩漬けのほか、大陸から伝わった菊酒が当時の人々に好まれていた。現代でも、花やつぼみが食材になっている野菜は多い。刺身に添えられて薬味として食べられる菊や、ポピュラーな野菜であるブロッコリー、菜の花などは今なお私たちの食生活において親しまれている。


一方、エディブルフラワーとして育てられる花は、一般的に食用と認知されていない植物が多い。しかし花によっては普段食べている野菜よりも栄養価の高いものもある。贈り物として人気のバラはビタミンCや食物繊維を多く含む優れた花だ。さらに、母の日にプレゼントされるカーネーションもエディブルフラワーになっている。食べることで心臓の働きを助けたり、疲労を回復したりする効果があるという。


なお、生花店で購入した花を食べる行為は体に害を及ぼしかねないため危険である。観賞用の花には防虫目的の農薬や、鮮度を保つための薬剤が付着している場合があるからだ。エディブルフラワーはハーブ専門店や園芸店だけでなく、インターネットでも購入できる。


食卓に彩りを添え、栄養も取れるエディブルフラワー。日常生活に取り入れることで花の新しい価値を見いだせるだろう。(小川紀寧)


《参考文献》

エディブルフラワー 花食生活のすすめ(久木倫子、日東書院本社、2007年)

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