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成蹊大学新聞会

対話ロボット さらなる進化に期待

近年の情報技術の発展は目覚ましく、遠く離れた場所にいる人と、いつでもどこでもコミュニケーションを取れるようになった。そして現在、私たちは新たな局面を迎えている。それはロボットとのコミュニケーションだ。


人間は言語や声色だけでなく、表情やしぐさといった非言語的な要素を組み合わせてコミュニケーションを取っている。ロボットも、それらを読み取ることで人とさまざまなコミュニケーションを取ることが可能だ。しかし、人間とロボットには決定的な違いがある。人は会話の文脈を読むことができるが、ロボットは特定の受け答えしかできない。そのため、柔軟で知的なコミュニケーションを取ることはいまだに難しい。


一方、ロボットの方が得意なコミュニケーションも存在する。会話の受け手となることだ。ロボットは人間とは異なり、相手の話を長時間聞くことができる。そして、人は打ち明け話などの話しづらい事柄も、人工物に対しては話しやすい傾向にある。これらの点から、認知症を抱える高齢者の話し相手となるロボットの活躍が期待されており、実証実験でも成果を上げている。


対話ロボットについて研究している理工学部の中野有紀子教授は、技術を普及させる上ではまだ課題が多いと話す。ロボットは標準語の音声合成を行って会話をするため、方言や若者言葉といった特殊な言葉には対応できない。今後は、相手に親しみやすさを感じさせる工夫も必要になるという。


ロボットの普及による失業や、人への危害を心配する声もある。しかし、ロボットにより私たちが安心して生活できるようになったり、有意義に使える時間が増えたりすることも事実だ。人工知能の急成長により、進化し続けるロボット技術。いずれは、人間と遜色ないコミュニケーションが取れるロボットが生まれるかもしれない。(夏目大)

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