新型コロナウイルスが流行して3年余りが経過した。政府は感染症法上での分類を2類から5類へ引き下げることを決定。これに先立ち、3月からは原則マスクの着用を「個人の判断」に委ねることとした。
岸田文雄首相は卒業式のマスク着用をについて、マスクなしでの参加を基本とする方針を示した。先月中学校や高校を卒業した生徒たちは3年間マスクを着けて学校生活を送ってきた。彼らが少しの間だけでも、お互いの笑顔を見せて式を迎えられたことに深い喜びを感じる。不自由を感じることも多くあったかもしれないが、晴れやかな気持ちで式を迎えていてほしい。
学校を舞台とした小説では、物語の最後に卒業式を描写しハッピーエンドとすることが多い。しかし「ハリー・ポッター」はその限りではない。「ハリー・ポッター」とは主人公のハリーが仲間とともに己の知恵や勇気、そして魔法を駆使して巨大な悪へ立ち向かう物語だ。小説だけでなく映画も記録的な大ヒットとなり、現在でも舞台やゲームなどさまざまなメディアで話題を呼んでいる。
私が初めて小説を読んだときは、魔法があったらと日々夢想していた。この思いは大学生となった今でも変わらない。魔法が使えたら我々は新型コロナウイルスにおびえて生活する必要はなかったのかもしれない。今回新型コロナウイルスの対応に進展があったものの、未だ一人一人の感染症対策は重要だ。魔法が使えない我々は「個人の判断」をもって新型コロナウイルスに向き合っていく必要がある。(鈴木恭輔)
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