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執筆者の写真成蹊大学新聞会

部・サークル所属率、学年により差 継続した入部機会の提供を

毎日のようにキャンパスに足を運び、授業を受け、部活動やサークル活動に取り組む。新型コロナウイルス感染症流行前には、多くの学生がそのような学生生活を送っていた。部活動・サークル活動は学生生活において、人間関係を構築する重要な役割を果たしてきた。しかし、新型コロナウイルス感染症が流行し始めてから2年が経過しようとしている現在でも、依然としてキャンパスに足を運ぶことがままならない状況が続いている。当会は昨年末、本学1~3年生を対象に、部活動・サークル活動に関するアンケートを実施した。1年生117人、2年生114人、3年生42人の計273人が回答。学年による所属状況の違いや、望んでいることが見えてきた。


部・サークルへの所属状況

「現在部・サークルに所属していますか」という質問に対し「所属している」と回答した人の割合は、1年生が80%、2年生が69%、3年生が86%。2年生で所属している人の割合は他学年と比べて低い現状が浮き彫りとなった。


所属していない2年生に対して、所属しなかった理由を複数回答可で尋ねたところ、最も多かったのは「入る意思はあったがタイミングを逃したから」で、66%を占めた。2年生が入学したのは、日本全体が未知のウイルスを恐れ、社会経済活動を止めた2020年の4月だ。部・サークル側も従来の新歓を行うことができず、新入生を迎え入れるための代替となる体制を整えられていなかった。その後、オンラインでの説明会や、新入生ウェルカムデーなどを通じて勧誘が行われたものの、アンケートでは「説明会やオンライン新歓の開催について知らなかったから」という回答が34%に上る。新入生に対する周知が十分ではなかったと考えられる。


2021年4月に入学した1年生の所属割合は、以前と同程度まで回復した。これには、入学時に大学側が課外活動団体説明会を用意したことと、部・サークル側がオンラインでの新歓に対応できるようになったことが関連すると見受けられる。部・サークルに所属している1年生からは「同期や先輩との交友関係が広がった」「学生生活が充実している」など、人間関係に関する好意的な声が寄せられている。一方で「活動が制限されている」「全く活動していないのに部費を取られる」といった、活動の制限や金銭面への不満もあるようだ。今後大学側の判断によって変わる可能性はあるが、現時点で課外活動は比較的自由に行えている。活動の範囲や頻度を制限しているのであれば、それに合わせて部費の額を調整できないか検討する必要があるだろう。


所属していない人から上がる「所属したい」の声

所属していないと回答した1年生24人のうち13人、2年生35人のうち13人が「今後部・サークルに所属したいと思いますか」という質問に対して「所属したい」と答えた。1、2年生共に、部・サークルに所属しなかった理由として「入る意思はあったがタイミングを逃したから」が最も高い割合を占めていることからも、入部機会の提供体制が継続して求められているのは明らかだ。また「部活動説明会に関する分かりやすいお知らせ」「3年生になっても入れる団体や引退時期などが分かる一覧表」などを大学側へ求める意見があった。


現在はオミクロン株の影響による感染拡大が続いている。そのため、今年4月に入学する新入生に対しても、昨年と同様に対面での勧誘や食事会は行わず、課外活動団体説明会と各団体のオンライン新歓を主体とする可能性が高いのではないか。そうであるならば、この2年間の成果と反省を基に、従来以上に新歓を盛り上げる施策を考えてもらいたい。その上で、入部意思のある新2年生・新3年生を見捨てることなく、入部しやすい環境を整えることが望ましい。全ての学生が、学生生活に後悔の念を持つことなく卒業できるようなフォローを切に願う。(倉田滉也)

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