古くから人々の娯楽であり、知識を得る手段でもある読書。大学生が読書をすることにはどのような意義があるのだろうか。本学文学部日本文学科の大橋崇行教授にお話を伺った。
大橋教授は「情報を確かめる力は、読書でしか得られない」と話す。現代ではさまざまな情報を得ることができる一方で、それらが正しいものであるかどうかは自らで判断しなければならない。本に書かれている内容が全て正しいとは限らないが、読書によって判断力を身に付けることは、情報を精査する一助となる。さらに、読書は自分とは異なる意見を知り、多角的な視点を得る良い機会となる。早い段階で読書の習慣を身に付けておくことは、将来社会人になり、何か新たなことを学びたいと思った時、役に立つだろう。
「大学生の時期が読書を習慣づける最後のチャンス」と大橋教授は語る。
さらに読書への取り組み方について、大橋教授は「気軽に読書してほしい」と話す。研究や課題の参考として用いることのない本であれば、全て通読する必要はない。自分の趣味として楽しむ読書であれば読みたいページだけ読む形でも良い。小説などでも、気に入るかどうか分からなければ図書館を利用して試し読みをするのも一つの手段だ。読書をする時はまとまった時間を確保するように心がけ、集中して読み始めてみるといいだろう。
最後に大橋教授にとっての読書の魅力は「読書を通じて、人間がどうしても抱えてしまう主観性に触れられること」だと語った。長い間人々の日常に彩りを与え、歴史に紡がれた豊富な知識や思想を授け続けてきた読書。情報過多な現代社会に生きる私たちにとって、読書は重要であり、生活を豊かにしてくれるだろう。まずは1ページ、本を開いてみるのはいかがだろうか。(酒谷莉奈)
Yorumlar