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執筆者の写真成蹊大学新聞会

新学長に森雄一教授が就任 キャリア教育のさらなる強化を目指す

本学では、北川浩学長が3月31日で任期満了を迎えることに伴い、森雄一文学部教授が次期学長に就任することとなった。任期は2022 年4月1日から2026 年3月31 日までの4年間。新学長就任にあたり、森教授にインタビューを実施した。


森教授は、1990 年に東京大学文学部国語学専修課程を卒業し、1994 年に同大学大学院人文科学研究科博士課程(国語国文学専攻)を中途退学。その後、茨城大学で人文学部助教授などを歴任。2000 年から本学に着任し、文学部助教授や准教授を経て、現在は文学部教授。かつては文学部長や本学大学院の文学研究科長を務めた。学外では日本認知言語学会、表現学会の理事なども務める。昨年度本学の学長選考委員会にて、学内外から推薦された複数人の中から選考を経て、その後理事長によって次期学長に任命された。


森教授の専門分野

森教授は日本語学、認知言語学、レトリック論が専門だ。私たち日本人は、花見と言えば決まって、見る花は桜と認識する。このとき「花」という本来広いカテゴリーの言葉は「桜」という限定された意味のみを示している。反対に、範囲の狭いものから広いものを表現する場合もある。こうしたものは「シネクドキー」という修辞技法にあたり、このような日本語の多様な修辞表現が森教授の研究対象だ。


森教授の座右の銘

座右の銘はないと話す森教授。強いて言えば、全てのことわざが座右の銘のようなものだという。「ことわざはその国の言葉や人間のものの考え方をエッセンスにして、絶妙に表現されている。そのため、さまざまなことわざに興味がある。豊富に存在することわざ群がたびたび心に響く瞬間があり、自分が生きるうえで役に立っている」と語った。


▼任期中の構想

学長就任にあたって森教授は「新型コロナウイルスの影響もあり、イレギュラーな状況の中のかじ取りに緊張している」と話す。今後は状況を見極めつつ、キャンパス内での学修や活動について、コロナ禍以前と同様に行っていく方針だ。オンラインでの活動も工夫して続けていくといい、全ての学生が安心して進路決定や就職活動ができるようにしたいという。また森教授が所属する文学部日本文学科では、小規模な学科ということもあり、教員と学生との距離が近く細やかな配慮がなされてきた。こうした経験を学長としても役立てていきたいという。

さらに、4年間の任期中には、多様な改革を推進した北川浩学長の構想を受け継ぎ、定着や発展を図る。具体的には、本学で以前から先覚的に取り入れられていたキャリア教育やキャリア支援の強化だ。グローバルな人材としての活躍を目指している学生のため、グローバルキャリアの形成においても心掛け、キャリア教育・支援の分野で屈指の大学を目指すとしている。また、北川浩学長が任期中に実現させた、経営学部新設、グローバル教育プログラムであるEAGLE や副専攻制度の設置、理工学部の改組などもより発展させていくと述べた。長期的な事業の計画としては、新11 号館建設と理工学部エリア再開発の完成を2024 年度に控えている。新棟には、集団での学びを促す「ラーニングコモンズ」が設置され、文理を問わない交流が期待される。加えて、本学では面白みがあり、社会に役立ちうる研究が盛んに行われている。このような側面も社会にアピールしていきたいと考えているそうだ。


本学学生へのメッセージ

森教授は本学学生の印象について、真面目できちんとした感じの良い人が多いと話す。その上で、大学生活を通じて次の二つの点で成長し、社会で生かすことを期待しているという。一つ目は知的に成長することである。「どの学部でも、その分野の方法論についての学習は、印象だけで物事を進めることがなくなるため重要だ。ある事柄を調べ、手順を踏んで論じ、結論を導き出すという力は、どのような職に就いても必要な能力であるため身につけてほしい」と話す。二つ目は人間的に成長することだ。「チームでの活動を通じて、リーダーのみならずサポートや現場の仕事など、さまざまな役割をこなしてほしい。集団で行動する意味や、それぞれの役目を理解することが大切だ」と語った。(飯塚大賀)

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