吉祥寺駅から徒歩1分の場所に位置するハモニカ横丁。そこは闇市に端を発する、自然と足を踏み入れたくなる場所だ。ハモニカ横丁で飲食店13 店舗を経営している(株)ビデオインフォメーションセンター代表取締役の手塚一郎さんに、ハモニカ横丁の魅力やこれからの発展などについて話を聞いた。
――なぜ地域密着型マーケティングを行う場所としてハモニカ横丁を選んだのか。
飲食を始めたいと思ったことがきっかけ。かつてのハモニカ横丁は駅前という好立地であったにもかかわらず、シャッター通りだった。そこで「ここなら何をやってもいい、何でもできそうだ」と思えたので(ハモニカ横丁で飲食の経営を)始めた。当時は地域密着を特に意識はせず、ただ近所に住む人が来てくれればいいなと思いながら続けていた。それが結果として地域密着型になったのだと思う。
――ハモニカ横丁の魅力はどんなところにあるのか。
一番の魅力は「なんでこれがここにあるの?」という感覚。例えば、去年1年間の仕事の中では「てっちゃん(焼鳥屋)」に置いた人形は面白くできたと思う。多くの人に認知してもらえ、特に小学生からは男女問わず人気があった。こうした、人が驚いてくれるようなことが自分のやりたいこと。今後も続けられるよう、次に何ができるのかを考えている。
「横丁」というと一般的には何らかのジャンルに分類されているが、そのような分類は個人的にあまり好きではない。昭和レトロの横丁だとか、一晩中ネオンがギラギラしている歌舞伎町とか、ゴールデン街のようなところとか。わかりやすく「昭和レトロ」と言われてしまえば、その一言で全て消費されて終わってしまう。(ハモニカ横丁では)なるべく言葉になりにくいような設定を施して「なんか分からないけど面白いな」という場所にしたいと思っている。
コロナ後のここ2年で言えば、よりさまざまな人が訪れるようになったことも魅力だと思う。著名人も横丁に足を運んでいる。集まっている人がお互いにいろいろな話をするのが面白い。
――手塚さんにとってハモニカ横丁はどのような場所か。
遊び場のような場所。「今月は何をやろう」と考えることが面白く、ずっと考えている。
――これからハモニカ横丁はどう発展を遂げると思うか。
若い人が来て、いろいろな活動をして、皆で相乗効果を生みながら発展していくということは言えると思う。その上で今一番に取り組むべき課題は、防災・防火対策とトイレ不足の問題。加えて、外国の方とのコミュニケーションへの対処を考えている。(新渡戸常明)
※今月号の2・3面では、手塚さんをはじめ多くの方々にご協力いただき吉祥寺マップを掲載しております。
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