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成蹊大学新聞会

「百年」 読者と著者と書店をつなげる


吉祥寺にひっそりとたたずむ古本屋「百年」。誰が来てもいい、どんなものでも受け入れるという“来るもの拒まず”の姿勢で店を切り盛りする店主の樽本樹廣さんは、2006年に「百年」をオープン。読者と著者と書店が相互につながることのできる、リアルなコミュニケーションの場となることを意識しているという。実際に「百年」では、イベントやギャラリーを開き、読者との活発なコミュニケーションを行っている。利用者が古本屋を信頼することで本を持ち寄る人が増え、良い本が集まり、また新しい利用者が古本屋を信頼する。樽本さんは、この相互作用のコミュニケーションの循環を目指したいと話す。


古本屋を「出会いの場」であると語る樽本さん。古本屋の魅力としてフラットな場所である点を挙げ「ハードルが高く感じるかもしれないが、肩ひじ張らず気軽に訪れてほしい」と呼びかけた。また、古本屋で本を選ぶ時のポイントとして、本の値段に着目することを勧めた。本に付けられた値段を通して古本屋と自分の価値観を比較し、その値段に納得できた古本屋が自分に合っている店だという。


樽本さんは、読書の魅力について、本を読むことで他者の考えに触れ、その考えを受け入れる際に自分の考えと向き合える点だと話す。「この先の人生で、学生の頃に読んだ本が自分に与えた影響の大きさに気付く時がいつか訪れる。大学生のうちにできる限り本の貯金をしてほしい」とメッセージを送った。そんな樽本さんがオススメする一冊は『声の地層: 災禍と痛みを知ること』(瀬尾夏美)。若いうちに悲しみがあることを知り、誰かが傷ついている可能性に目を向ける経験をしてほしいと語った。(伊藤咲羽)

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